小中学生を中心に20年以上指導してきているなかで、
勉強する力のあり、結果が出せる子どもと、そうでない子どもの違いに、
ある共通点があることに気づきました。
今日はそれを紹介したいと思います。
テスト結果で分かる子どもの勉強力
子どもの勉強する力は、その子どものテスト結果を見ることで、親御さんもある程度は把握できると思います。
特に、小学生高学年から中学生全般のお子さんをお持ちの親御さんにとっては、この視点を持つことはとても大切だと思います。
判断材料として使いたいテストは、国語や英語、社会といった文型科目のテストです。
ここでは中学生の国語の定期テストを例にして説明していきます。
中学校の国語の定期テストは、主に次のような構成で出題される形が多いと思います。
①学習した教科書の文章からの読解問題(小説や随筆、論説文など)
②教科書とは別の副教材の漢字テキストから、範囲指定されたなかからの漢字
③文法問題・文学史問題
④応用問題(初見の読解問題 学校による)
⑤聞き取り問題(学校による)
配点としては、100点満点中で、②の漢字が20点分ほど、③の文法・文学史や⑤の聞き取り問題で10点ほど、④の応用問題が10点~15点ほど、そして残りが①の学習した文章の読解問題といった感じが多いです。
子どもの勉強力を把握するために、国語の答案のどこに着目するといいと思いますか?
それは…
②の漢字です。
え?漢字?
漢字は出るところも決まっているんだから、ここで勉強する力を測るっていうのは難しいんじゃない?
そう思われる親御さんもいるかもしれませんが、違うんです。
これについて説明していきます。
『勉強する力』は2種類存在する
定期テストは基本的に、試験範囲をあらかじめ提示されて、その範囲内を勉強し、達成度を測るために行われます。
となると、先ほどの国語のテストの例でいう②の漢字というのは、範囲も決まっているので、一通り勉強して得点出来て当然と考える方もいるかと思いますが、それは違います。
というのも、最近の学校副教材の漢字テキストの漢字はたいへん難しく、また試験範囲になる漢字の数もきわめて多くなっています。
ですので、一夜漬けでなんとかしのげるというような類のものではありません。
では、このような漢字テキストからの漢字の出題の出来不出来で、子どもの何が分かるのでしょうか?
それはズバリ、子どもの勉強における準備力です。
漢字のテスト結果というのは、しっかり準備しているかどうかで決まります。
もちろん、準備はしたけれど間違えて覚えてしまっていた、というようなミスも存在しますが、基本的には本人の準備次第で結果が決定するものです。
つまりは、漢字テストが行われる直前までの準備で勝敗が決まります。
ですので、準備していない人間が、テスト直前にねじり鉢巻きをして、『オリャ~!気合いだ~!』と叫んでも、全く得点は上がりません。
このように、勉強には『準備力が必要となるもの』があります。そして、テストで高得点を出す子どもは、確実にこの準備力が身についている子どもです。
漢字の他にも、英単語や社会の暗記系分野や、理科の第2分野などが、こういった『準備力を伴う勉強』であると言えます。
次にこの準備力の他にもうひとつ、勉強する力としてあるのが『理解力』です。
理解力とは文字通り『理解する力』を指します。
分野でいうならば、算数や数学、英文法や理科の第1分野です。
この理解力に関しては、単純に量をこなせばいいものではありません。
今目の前で学んでいる分野を、しっかり確実に自分の身に染み込むレベルで理解をする必要があります。
この分野の学習の特徴は、『分からない…』が『分かった!』に変わった瞬間が、まるでオセロの黒い石が白に反転するように、明らかな変化があります。
理解力があるかどうかを判断するには、子どもに説明させるといいと思います。
その分野を本当に理解しているのならば、たどたどしくても自分で説明ができるはずです。
このように、子どもの勉強の様子を、『準備力』と『理解力』で分けて考えていくと、子どものウィークポイントが見えやすくなります。
『準備力』と『理解力』どちらが大事?
では、勉強における2つの力『準備力』と『理解力』、どちらが大事なのでしょうか?
結論としては、両方の力がともに大事です。
ただ、『準備力』は、本人の準備が全てといっても過言ではない力ですので、
この準備力が整っていない場合は要注意です。
いくら塾に通っていたり、家庭教師をつけて勉強させたりしていても、
この力は本人が身につけないとモノになりません。
またこの準備力は、時代が変わっても、今の筆記試験の体制が大きく変化しない限りは、ずっと必要な力です。
こういったことも踏まえて、私は
筆記テストの得点を向上させる際の優先順位としては、
『準備力』→『理解力』であると考えます。
テストの点数だけで判断するのではなく、
この『準備力』と『理解力』という2つの側面で結果をチェックすると
子どもの学力の状態が把握しやすくなると思いますので、
ぜひ活用してみてください。
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