テストで良い結果が出ない原因って何?
テストで良い結果を出したいなら、毎日鉛筆を削ることだね。
え?パパ何言ってるの!?ボクはテストで良い結果を出すにはどうすればいいか知りたいんだよ。
だからそのためには鉛筆をきちんと削ることがポイントだよ。
ん?どうして鉛筆を削るとテストの結果が良くなるんだろう?
子供が学校に通うようになると、テストを受けることになります。そして主にそのテストの結果によって成績が決定されます。子どもも親御さんも、テストで良い結果を出したいですよね。
高校受験となると、その成績によって受験する高校の大枠が決まってきたりしますから、中学生ともなると、ますます良いテスト結果が望まれるかと思います。
しかしテストで良い結果を出すことは、そんなに簡単なことではありません。
むしろなかなかテストで良い結果が出せなくて、自信をなくしている子どもが多かったりします。親御さんとしても、なんとか子供にテストで良い結果を出してもらいたくて、一生懸命教えてみたり、参考書をそろえたり、また塾に通わせたりしてサポートしていることと思います。
ただ、そういう手を施していても、結果が伴わない場合は、問題はそれ以外にあると考えたほうがいいと思います。
長年子供達を教える仕事をしてきて思うことは、
ということです。
なぜなら、テストで良い結果が出ない子供の原因のなかには、勉強そのものに問題があるわけではないこともあるからです。
どんなに勉強を頑張ってみても、その頑張りを台無しにしてしまうような問題があると私は考えています。
ここでは、私が教えてきた経験をふまえて、テストで良い結果が出せない子供の特徴を7つ紹介しようと思います。
もし該当するものがあれば、ぜひ改善するようにしていただきたいと思います。この改善が結果的に、テストで良い結果を出すための効果性を高めることになるかもしれませんよ。
字が汚い子供はテストで良い結果が出ない!
まず注意してもらいたいことが、『字の丁寧さ』です。
字が丁寧ではなく汚い子供は、テスト結果が良くないケースが多いです。というのも、大前提として、ほとんどのテストは筆記試験の形で行われます。
一部マークシート方式もありますが、自分の手で記述するタイプがほとんどです。
筆記試験とは、問題を理解しているのかどうかを、口頭ではなく紙面を通じて、筆記の形で表現しなさい、というものです。
そして正しく表現されていた場合においてのみ、得点を与えるというルールで行っているのです。
例えば国語の読解問題で『このときの登場人物の心情がよく分かる一文を探し、その最初の5字を書きなさい』という問題があったとします。
そして解答になりそうな箇所(本文)が
であったとします。
この場合、心情がよく分かるのは、『太郎は、今までにない喜びを自分自身で感じていた』という部分ですよね。
でも、それをそのまま『太郎は、今』と書いても得点にはなりません。
なぜなら、問題が『このときの登場人物の心情がよく分かる一文を探し、その最初の5字を書きなさい』であるからです。
ですので、この場合の答えは『しかし、そ』となります。
『そのとき確』でも『今までにな』でも間違いです。表現する条件に合っていませんから。
これらの答えにした子供は、しっかり問題の意図を読み取れてはいたのです。
しかし、どんなにしっかり読み取れていたとしても、
のです。
こう書くと、確かにそういう間違えはよくあるけど、でも『字が汚い』とは関係ないのでは?と思われる方もいるかもしれません。
しかし私の経験上で答えるならば、こういう間違いは字が汚い子供に多くみられます。
なぜなら、字が汚い子供は、速く書いて終わらせてしまおうという意識の持ち主であるからです。
そしてそのスピード重視の姿勢が、早とちりを生んだりケアレスミスを生んだりしているのです。
この『速く書いて終わらせてしまおうというスタンス』は、例えばミニテストを実施した時に、
名前を苗字だけ書いて始めていたり、漢字で書ける名前をひらがなで書いて始めていたりする行動で分かります。
ですので、お子さんがプリント類にしっかりフルネームで、漢字を使って毎回きちんと書けているのか、チェックしてみてほしいと思います。
そしてしっかり書けていないならば、そこをきちんとさせるように指導してください。
ここが改善されないとテストで良い結果は出ません。
よくよく考えてみれば、名前というのは、おそらく一生で一番たくさん書く熟語であると思います。
それを毎回きちんと書くことができる子と、毎回テキトーにちゃちゃっと書いている子とでは、とてつもなく大きな差が生まれるはずです。
なぜならば、テストで良い結果を出す能力は、筆記できちんとした表現する能力を含めた結果であるからです。
話が聞けない子供はテストで良い結果が出ない!
二つ目に挙げたいのは『聞く力』です。
対面で誰かに何かを教わるという状況下においては、教わる側の極めて多くの行為が、この『聞く』であると思います。
しかし、この『聞く』という行為は、そんなに簡単なものではありません。
なぜなら、『聞く』という行為は、非常に忍耐力のいるものであるからです。
相手が言っていることをそのまま受け止めて、何か気になることがあっても、とりあえずはそこに気を取られず、言っている内容を理解していくということは、そんなに簡単なことではありません。
それこそ『聴』という漢字のように、耳と十分な目と心を使って集中して『聴』くことが必要となります。
ところが、この『聞く=聴く』力は、まだまだ重要視されていないように私は思います。
言語の4つの側面である『読む』『書く』『話す』『聞く』のうち、『読む』や『書く』や『話す』は、それ専門の講座があったりして、その力を磨いていく重要性が時に問われたりするのですが、『聞く』についてはあまり講座のようなものもないように思います。
なぜなのでしょうか?
『聞くこと』というのはあたり前すぎて、そのためのスキルを学習するなどということは必要ないのでしょうか?
いずれにせよこの
と思います。
ですので、お子さんの聞く力をしっかりつけさせるために、
日常の会話のなかでも
『今なんて言ってたか復唱して教えて』などと言って確認したりするといいかと思います。
です。
忘れ物をする子供はテストで良い結果が出ない!
忘れ物をよくしてしまう子供がいますが、彼らはテストで良い結果を出すことができません。
なぜ忘れ物がテスト結果を左右するのでしょうか?
私は、
だと思っています。
例えば、学校のあとに塾に行くのに、塾用のかばんに筆箱が入っていないとかいうケースです。
これは、塾に行くという行動を、何も考えずにただルーティーンのようにやっているだけであることに原因があると思います。
こういう子供は、たとえその日塾で大きなテストがあったとして、確実に筆箱が必要になるとしても、忘れてしまいます。
その行動に伴って、同時に想像をしないのです。
『想像力の欠如』とは、今を超えて(未来や過去へ)考えを及ぼすことができないということです。
こういう子供は、テストでもミスをしがちで、良い結果を出すことができません。
そしてより深刻であるのは、前回やったミスを次の回も同じようにしてしまうということです。
未来や過去への想像が及ばないので、懲りずに同じ失敗をしてしまうのです。
失敗そのものは悪いことではありません。
大事なのは、そこから学習して次に活かすことですから。
ただ、忘れ物をしてしまうタイプの子は、こういう蓄積が苦手です。
まるで、同じ大きさの落とし穴に、毎回同じ姿勢で落ちてしまうような現象です。
忘れ物が多いお子さんをお持ちの親御さんは、ぜひ生活習慣のなかで、忘れ物をしないようにしつこく働きかけてほしいと思います。
道具をきちんと使えない子供はテストで良い結果が出ない!
道具とは例えば消しゴムや赤ペンです。
問題を解いているときに、書き間違えてしまったのに、その場でグジュグジュと塗りつぶしてしまうとか、もしくは筆箱のなかに消しゴムがあるのに、シャープペンシルについている小さな消しゴムで消そうとしたり…。
また、〇付けをするときも、赤ペンを持っているのにそれを使わずに〇つけをするなどです。
おそらく、こういう子供は、きちんと道具を使うことが面倒くさいのです。
こういう子供は、鉛筆が全然削れていなかったり、赤ペンのインクがなくなって替え芯を用意しなければいけないのに、何日たっても変わらなかったりして、代わりに蛍光ペンで〇つけをしたりしています。
また、各教科ごとにノートを準備しているのにも関わらず、算数のノートに漢字練習をしていたり、国語のノートで英文を書いていたりします。
先ほど紹介した字が汚い子供でこういうケースの子は多いです。
道具がないので使えないのではなく、道具がきちんとそろっているのに使えないのです。
ですから、うちの子はきちんと筆箱の中身が充実しているから大丈夫だと決して思わないでください。
それをきちんと使いこなしているのかを、親御さん自身の目で確認してください。
おうちで勉強しているところを覗けば分かると思います。
筆記試験で必要になる筆記用具をきちんと使いこなせていないのであれば、繊細な表現を必要とする筆記テストで良い結果を出すことが難しくなることも容易に想像されます。
手癖が悪い子供はテストで良い結果が取れない!
手癖とは、ペン回しをするとか、髪の毛を束ねる行為をさします。
え?ペン回しはまだしも、髪の毛を束ねるのがなぜ?と思われるかもしれませんので、詳しく書きます。
これらは、おそらくほぼ無意識に行っている動作であり、普段の生活ではそんなに気にならない行為かもしれませんね。
ただ、テストで良い結果を出すということにおいては、実は要注意です。
これらの行為は、いつでもやってはダメというのではありません。
問題なのは、それらが、勉強している最中に頻繁に出てくることです。
です。
きちんとしたテストというのは、ある一定の時間集中し続ける必要がありますが、こういう子供はそれが出来ないのです。
たとえ一生懸命勉強して覚えてきたとしても、それを発揮するバッテリーがなく、またやりたくない気持ちが手癖へと変わっていくのです。
こういうやり方で、テストで良い結果を出すことはなかなかできません。見ていると、特に読解問題や応用問題といった、答えを出すまでに一苦労必要な分野の問題を解いているときに顕著に現れます。
ですので、子供の勉強の様子を見ていれば、その子のテスト結果が良くなるのか悪くなるのかが分かります。
お子さんの勉強の様子、このあたりにも注意して見てほしいと思います。
これと同様の要注意の動作は、
勉強中に『爪をいじる』や『シャープペンシルやボールペンをいじって分解し始める』などです。
これらは言わずもがなかもしれませんが、やはり注意が必要です。
机からよくモノを落とす子供はテストで良い結果が出ない!
これは小学生の高学年くらいまでに撲滅させておくべきものです。
よく勉強中に、消しゴムや鉛筆を落としてしまう子供は、多面的に状況を把握できていないケースが多いです。
問題を解いていたり、ノートを取っているならば、それにしか目が行ってないのです。
ある意味集中しているのかもしれませんが、テストにおいてはこういう集中の仕方はNGです。
この形でのめりこみすぎてしまうと、作成者が作った落とし穴に全く気付かずに暴走してしまう感じです。
ノートに字を書くにしても、ノートの右側を使うときと、左側を使うときとでは、机に広げる道具のレイアウト(スペースの取り方)が変わるはずです。
ですから、ノートを広げて何かを書き始めるときに、そういった配慮や工夫ができるかどうか、チェックしてほしいと思います。
できれば小学生の低学年のうちに、勉強をするときに
『さあ、勉強しやすいように、教科書やノート、筆箱をきれいにレイアウトしてみよう』
という合図を入れてほしいものです。
本(文字)を読みたがらない子供はテストで良い結果が出ない!
これは言うまでもないことかもしれませんが、やはり注意が必要なものです。
筆記テストで良い点数を出すというのは、
筆記で書かれた作成者からの問題を、筆記で答えるというものですから、その筆記された文章(文字)を、きちんと読むことが不可欠です。
これをしたがらない子は、得点が伸びません。
これは、国語や英語の読解問題を解くときに、全文を読まずに、下線が引いてあるところの前後だけを拾って読んでいるようなケースが該当します。
こういう子は、問題文を全部読むのが面倒くさくて仕方がないのです。
これではテストで良い結果が出るはずもありません。
また、こういう現象は、問題を解いているとき以外にも現れたりします。
例えば、保護者向けのお手紙を渡して、確認をしようとするときにすぐさまその手紙をしまってしまうとか、新しい教科書やテキストをもらったときに開くこともせずにしまってしまうとか、または大好きなゲームソフトを買ったのに、まったく説明書を読まないなどです。
こういう行動をしがちな子供は、文字を読むことが好きではありません。
文字そのものを敬遠してしまっているので、読書なども当然しません。
漫画も嫌いというような場合も多々あります。
例を挙げればきりがありませんが、要するに、文字嫌いはテストで良い結果を出せない可能性が高いのです。
まとめ
いかがでしょうか。
私は今回、因数分解はこうやってやるといいとか、英語の文法理解はここが肝だ、といったように、勉強の内容については一切書いていません。
しかし、ここで書かれていることが、テスト結果の良し悪しを大きく左右するのです。
テストで良い結果が出ていない子供は、努力していないわけではないと思います。
ただ、筆記テストで良い結果を出すということに対しては、改善が必要なところがあるのだと思います。
ですので、お子さんのテスト結果を改善させたいと思われるならば、勉強そのものに働きかける前に、こういった行動のチェックをしてみるといいのではないかと思います。
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