子ども達の活動において、何事にも『やる気』があったほうが、ないよりも良い成果になるケースが多いと思います。
もちろん、まれに『やる気』がありすぎて、それが空回りになってしまうこともありますが、これはやる気をうまく活用できていないだけですので、まだ救いようがあります。
一方、本当にそれをしたいのかが分からない、結果を出したいのかが伝わってこないというような子ども、また明らかにやる気がないと分かる姿をよく目にします。
特に勉強面になると、やる気のなさがオーラとなって表情や姿勢、またさまざまな行動に現れていたりします。
そこでここでは、子どもの『やる気』があるのかどうかを、行動から推測できるということを紹介しようと思います。
こういう行動があったら要注意です。
やる気なし①自分の点数が何点なのかを出そうとしない!
点数が出せる問題なのに、解いたあとに点数を出さない…。
これは明らかに、今自分がやった行動(問題を解いたという行動)に興味がないことを示しています。
テストの形の演習では、結果が何点だったのかを採点できる形で行うことが多いです。
点数を出すことで、自分の今の立ち位置が把握できるので、次の一手が明確になります。
そのテスト形式の演習問題は、基本的に各問題ごとに配点が異なります。
単純な問題は配点が低く、また応用力や思考力が問われる問題は配点が高くなっていて、総合的にどの程度の達成度かが分かるように工夫されています。
採点するということは、それらの配点に合わせて計算して合計得点を出すことです。
しかし、この採点をやらない(やれない)子どもが実に多いです。〇か×かをつけてそれで終わり。
どれくらい取れていたのか、自分の立ち位置を知る最後の仕上げができない子どもが多いのです。
私は、点数至上主義では全くありませんが、ただそんな私でも、どうせやったのならば、そのときの自分の結果がどうであったのか、数値化されるならばそれを知りたいと思うべきだと思います。
それすらやれない子どもは、そもそも得点をより高く取りたいと思う気持ちが育っていないのだと思います。
こういう子どもが、どんなに学校や塾で勉強を教わる環境に身をおいていたとしても、期待できる結果は生まれにくいと思います。
やる気なし②そもそも〇つけをしない!
先ほどの点数を出さない子どもが、まだマシなケースが実はあります。
そもそも自分がやった問題に〇つけをしない子どももいるのです。
これは、結果がどうであったのかを知る行為をしないということですから、それはつまり、この行動に対する結果など知らなくていいということを意味しますから、その行動そのものの価値がほぼゼロになってしまいます。
学校での様々な活動や部活動、またほかの習い事などで忙しいのは分かります。
ただ、解いた問題を〇つけせず放置しているのは、やっていないと同じだと思います。
本人は頑張ってやったのかもしれませんが、結果を出すための行動としては中途半端なのです。
ですから、お子さんのテキストやノートを見て、問題を解いたあとがそのままになっているものを見つけたら黄信号です!
やる気なし③自分の答えが気になるような行動を一切しない!
本当に頑張って準備したのであれば、その結果が気になるはずです。
例えば、漢字のミニテストをするとしましょう。
もし高得点を狙おうと一生懸命準備してきて、それでテストに臨んだならば、自分の結果がすぐにでも気になるはずです。
そしてそんな子どもの場合、例えば答案を後ろの席から前の席へと回収するようなケースでも、後ろからもらったほかの子どもの答案を見て、自分の解答が合っていたかどうかを確認したりします。
自分の結果が気になって仕方がないという気持ちがこの行動の根っこです。
ですからこういう子どもを見かけたときは、私は「それだけ解答が気になるくらいに、頑張って準備してきたってことだよね」と褒めるようにしています。
『褒める』の目的は『良い行動の習慣化』だと思いますので、こういう声掛けによって、また準備を頑張ろうと子どもに思ってもらいたいです。
これとは逆に、自分の答えが気にならない子どもというのは、そのテストに対する準備の熱量がそんなに高くないケースが多いです。
ただやらされているだけですから、結果が期待できなくなってしまうケースが多いです。
最後に…
どうしてこういう子ども達が増えてしまっているのか…?
これは様々な問題が絡んでいると思うので、一概には言えませんが、その原因の一端を担ってしまっているのは、今の教育の在り方や、私達大人であるように思います。
3歳の息子は今、『なんで〇〇なの?』とか『どうして〇〇なの?』と私に質問してくる毎日です。
ちょうど今、身の回りの様々なことに興味のアンテナが張り巡らされていて、そのことについて知りたい欲求がとても強いのだと思います。
これは好奇心と言い換えてもいいと思います。
こういった知りたい欲求や好奇心は、年齢を重ねるごとに変化していくもので、徐々に減少する傾向があるように思います。
3歳の息子と同じように、中学生や高校生が好奇心を持つというのはまずありえないことだとも思います。
ただ、私達大人の働きかけによって、そういった好奇心や知りたい欲求の風船の膨らみを、できるだけしぼみにくくすることは可能だと思っています。
子どもの目線に立って、そこから見える景色を一緒に感じて、一緒に感動することを楽しむ姿勢を持つことで、子どもの好奇心の風船はいつまでもしぼむことなく存在し続けられるように思います。
この気持ちを持ち続けられるように育てていく、教育していくことが、子ども達の『やる気』の醸成に繋がると私は思っています。
テストの結果が何点であってもいい、ただ、自分が持っている力は全て出し切った結果を出せた、というような経験を積ませてあげたい。そう思っています。
お子さんの行動を見て、『やる気』が見えないのであれば、もう一度『どんな大人に育ってほしいか』から見つめなおしてみるのも大切だと思います。
そしてお子さんに対する想いをしっかりお子さんに伝えていき、親が子どもにとって一番のサポーターであることが伝われば、子どもの行動の改善に一歩前進できるように思います。
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