8月で5歳になった長男。その誕生日に自転車をプレゼントしました。
その長男がどのようにして自転車に乗れるようになったのか、
失敗談も交えながら、そのコツを紹介しようと思います。
プレゼントしたのは16インチの補助輪なしの自転車。補助輪がない代わりに、ペダルが着脱可能になっていて、ペダルを外して、ストライダーのように、足けりバイクとして練習できるようになっています。我が家は2歳の誕生日にストライダーをプレゼントし、ゆっくり時間をかけ、長男はそれを乗りこなせるようになっていました。
子供が自転車に乗れるようになるコツのひとつに、ストライダーに乗れるようになっておくということがあると思います。これによって、二輪車に乗る際のバランス感覚が養われると思います。
ストライダーの乗り方についての記事はこちら。
そして、ファースト自転車は、ペダルの着脱がスムーズなものを購入するのもコツのひとつ。ストライダーから自転車への変化がスムーズなのでお勧めです。
我が家の自転車はこれ。
ファーストトライでいきなり自転車に乗れた!
いつもストライダーをやっている短く緩い傾斜のある丘(10メートルほど)で、「自転車やってみる?」と聞くと、長男は「うん」と返事をします。
そこで私は自転車のペダルを外し、長男を自転車に乗せて
『ストライダーと同じように乗ってごらん』
と伝えました。
ペダルのない自転車はストライダーと一緒だよ、と伝えるのがコツです。
すると長男は、ストライダーに乗るように自転車にまたがり、坂を降りました。
すごい!もう乗れてる!私は思わず興奮し、私は長男を褒めました。長男も嬉しそうで、何度もその丘からのサイクリングを楽しんでいました。
そこで私は、公園からすぐそばにある地域の市民センターに長男を連れて行きました。
そこには25メートルほどの緩い傾斜が続く坂道があり、そこで練習させようと思ったからです。
市民センターに着くと、長男は坂道を降りてみると言います。ここで私ははじめてブレーキの使い方を長男に教えました。足けり自転車のストライダーはブレーキがないため、自分の足で自転車を止めていたので、長男は少しブレーキを使うのに手こずっている様子でした。が、やってみると何とかバランスを取りながら、その坂道も自転車に乗って降りてくることができました。ただ、ブレーキを使って止まるというよりは、今までのように足を使って止まるという感じでした。
ところが!ペダルをつけたとたんに・・・
何度かその登り降りを繰り返したあと、私は自転車にペダルをつけ、それでやってみるように長男に言いました。長男は「いいよ」と軽快に返事して、ペダルをつけるのを見ていました。
そしていよいよペダル付きの自転車で初トライ。
ここで問題が起きました。
「こわいこわいこわ~い!」
そう叫びながら長男が坂道を降りてきました。転ぶことはなかったのですが、怖いと泣きそうになっています。聞くと、ペダルを装着したことにより、足でやっていたブレーキが思うようにできなくて、また自転車のブレーキもまだしっかり使いこなせなく、結果とても怖かったというのです。このワントライのあと、長男は自転車に乗らずに、走り回って遊び始めてしまいました。
自転車に乗れるようにさせたいという親の思いばかりがあった
この体験は私にある気づきをもたらしました。
私は、長男が自転車に乗れるようになってほしいと切に願い、それを実現するために、自転車に乗りたくなるように、ストライダー時代からずっと長男にアドバイスしてきました。
長男もそれに応え、乗りたいという気持ちを高めていって、ストライダーに乗れるようになっていました。その流れに乗って、自転車も乗りたくなるように長男に働きかけていたのですが、決定的に欠けていた別の側面がありました。それは、『「乗りたくない」という気持ちを生まないようにする』という視点です。
考えてみれば、ブレーキでしか止めることができない自転車に、ブレーキ操作もままならないなか乗るのは恐怖がついて回るでしょうし、さらに足元には慣れないペダルもついているとなると、勝手が違ってやりにくいのも当然です。その結果怖い思いをして「乗りたくない」という気持ちが生まれてしまうことも、よくよく考えれば当然のことでした。
鼻息荒く乗せることに前のめりになっていた私はここで失敗してしまいましたが、子供が自転車に乗れるようにするコツのひとつに、『恐怖心を徹底的に排除する』というものがあると思います。
自転車には乗りたがらずにストライダーに逆戻り
その後およそ一カ月ほど、長男が自転車に乗ることはありませんでした。
何度か長男に、自転車の練習しようね、と誘うのですが、そのたびに長男はそれを拒み、そんなことを言う私を嫌がるようになりました。
私はとても悔しかったですが、同時にそれほど怖い経験をさせてしまったんだという後悔が胸に刺さりました。
長男は今までのようにストライダーを軽快に乗りこなす日々が続きました。
もう一度トライ 今度は子供の気持ちに寄り添って
自転車の練習を言い続けては拒まれる日々が続くなか、ある日長男を自転車の練習に誘うと、さんざん嫌だと言われた挙句に、ストライダーも一緒にやって、自転車が嫌だったらやめるよ、という条件付きで、自転車の練習に行くことに同意してくれました。私はこのチャンスを逃さないように、そして同時に長男の気持ちに寄り添うようにして練習しようと思い、公園に向かいました。
まず長男はストライダーに乗りたいというので、ストライダーに乗せました。
坂道を軽快にストライダーで走ってくる長男。
何度かストライダーをさせたあとで、自転車にしてみようと提案。
「いいよ」と答える長男。
前述したコツである、自転車をペダルのない状態にして、ストライダーと同じように坂道を降りてみることに。ただ、ストライダーほど長い坂にはならないよう、短い距離でやってみようと伝えました。
いざ、トライ。
長男は自転車でも問題なく、坂道を降りてきます。
これは1か月前にもできていたことなので、特に喜ぶ様子もありません。むしろまだ少し恐怖が先行している様子です。だから、距離を増やすことなく、坂の途中から降りてくるという練習を何度か続けました。はやる気持ちを抑えて、ゆっくり同じことを繰り返すのがコツだと思いました。
自転車で坂から降りてくることに慣れてきた様子の長男を見ながら、ペダルをつけてみようと提案しました。前回はここで恐怖を生んでしまったので、その失敗を繰り返さないように、さきほどよりももっと短い距離でやろうと提案し、長男は、やると答えてくれました。
ペダルがつくと、先ほどのように自由に足を地面につけることができなくなり、多少やりにくそうでしたが、何度か続けていくうちに、それもこなせるようになりました。
私はとりあえず自転車練習ができたことに感謝しつつ、長男の気持ちに添うようにしながら、今度は平地で練習してみようと伝えました。
自転車に乗れない最大の原因は、平地でのスタートにある
平地で自転車に乗るためには、ゼロからペダルを漕ぎ、その力で自転車を進める必要があります。すると子供は、坂道の時のように、ペダルを漕ぎながら自転車に乗るバランスを保てなくなります。このとき、何度か転倒したりすると、恐怖感がさらに増し、乗ることそのものを嫌がるようになると思います。
私はそうならないように、平地の練習になってからは、長男の腰のあたりを支えてやるようにしました。
私の支えを完全にあてにして、ペダルに足を乗せて漕ぐ長男。
ペダルを漕ぐこと自体がぎこちないため、自転車のバランスやハンドルさばきなど全くできません。ストライダーにも乗れない子供を支えているような感じです。何か今まで積み上げてきた練習が、ここで一気に無意味になってしまったかのように感じました。
ただ、少々怖がりながらも練習を続けようとしている長男を見て、
少しでも子供の恐怖心をなくしてあげられるように、どこまでもつき合って練習しようと同時に思いました。
点が線になった瞬間が訪れる
『こうやって練習を続けて、何度も何度も転んだりしながら、自転車に乗れるようになっていくんだろうな』
何度も長男を後ろで支えながら、私は思っていました。
平地からペダルを漕ぐことはとても難しく、バランスを保ちながらなどとてもできない様子で、長男は自転車練習を続けていました。漕ぎだしが終われば、多少はバランスが良くなって、乗れていけそうな感じなのですが、スタート時のバランスが全く取れない。
後ろで支える私の手に、長男の重みがずっしりとのしかかるなか、
少しだけ私はその手の支えを緩めようと思いました。
怖がるならばすぐにしっかり支えるつもりで。
すると、その緩めた手に対して長男は何の反応もしめさず、変わらず自転車に乗っている様子。
「ん?」と思い、私はその手を放しました。
すると、
私の目の前から前へ前へと自転車を漕いで進んでいく長男の後ろ姿が…。
『パパうしろにいないよ!乗れてるよ!』
そう言うと長男は驚きながらも、前へ進み続けました。
私の目の前で、長男が自分の力で自転車に乗っていました。
自転車に乗れたことに対する長男の喜び、おっかなびっくりでありながらも笑顔で進む長男の表情を見て、私は大きな感動に包まれました。
そのときの動画がこちら。ストライダーに乗っていた頃の動画も交えて。
あきらめないのが大事だよね
聞き取りにくいかもしれませんが、
この動画内に長男のセリフで
『今ちょっとできなかったけどあきらめなかった』
『あきらめないのが大事だよね』
と言っています。
一歩ずつ少しずつ日々成長していく我が子に対して
心から『すごいね!おめでとう!』と伝えたいです。
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